8月の米国市場は7月に続いて上昇月となりました。しかし、8/26のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言でNASDAQ100が一日で-4%下げるなど米国市場は急落する流れとなりました。
急落の原因としては、今はインフレ退治が第一優先。そのためなら株価を犠牲にすることも厭わないことを示した結果と思われます。講演内容には過去の歴史を遡った内容、インフレ退治に成功したポール・ボルカーを意識した発言がみられました。
これまで米国市場は米国7月CPI(消費者物価指数)が市場予想(8.8%)を下回る8.5%が発表となったことからインフレは沈静化していくという期待感、不景気になってもFRBは金融緩和に転じるとの期待で6月下旬以降大きく反発してきましたがジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言から流れが大きく変わる可能性が出てきました。
以下、現在(2022/8/28時点)のMyポートフォリオの情報となります。
Myポートフォリオ(2022/8/28時点)
保有銘柄とポートフォリオ内の比率
現在(2022/8/28時点)のポートフォリオ(保有銘柄と比率)は以下のとおりです。
現在のポートフォリオ
エネルギー株のXLE(エネルギーETF)を買い増し。PXD(パイオニア ナチュラル リソーシーズ)を新規で買いました。インフレは長期化するとみているため買った流れですが、長期で持つかは現段階では不明です。
前回(2022/7/31時点)のポートフォリオ(保有銘柄と比率)は以下のとおりでした。
前回のポートフォリオ
保有銘柄の詳細
現在(2022/8/28時点)のポートフォリオ保有銘柄の詳細(保有株数、平均取得単価、評価損益率)は以下のとおりです。
現在のキャッシュ比率は約60%です。理由としては9月は急落リスクが高いこと。そして、ショートポジションも狙っているためです。現在保有している銘柄でパフォーマンスが冴えないポジションは売る必要があるかとも考えています。
保有銘柄の動き(2022/8/28時点)
前回(2022/7/31)から現在(2022/8/28)までの保有銘柄の動きは以下の通りです。
XLE(エネルギーセレクトセクターSPDR):78.42 → 82.84(+5.64%)
SBI・V・全米株式インデックス:11261 → 11807(+4.85%)
S&P500(eMAXIS Slim米国株式):19270 → 20175(+4.70%)
先進国株式(たわらノーロード):21514 → 22310(+3.70%)
PG(プロクター・アンド・ギャンブル):138.91 → 142.29(+2.43%)
AAPL(アップル):162.51 → 163.62(+0.68%)
AMGN(アムジェン):247.47 → 240.65(-2.76%)
MCD(マクドナルド):263.37 → 256.95(-3.44%)
8月はエネルギーセクターの大きく反発しました。S&P500など指数も上昇していますが、ジャクソンホール後の流れを考えるとグロース株を中心に下落リスクが高いとみています。9月相場は要警戒です。
購入した銘柄
前回(2022/7/31)から現在(2022/8/28)までに売却した銘柄は以下の通りです。
新規追加:PXD(パイオニア ナチュラル リソーシーズ)
XLE(エネルギーセレクトセクターSPDR)
XLE(エネルギーセレクトセクターSPDR)は先月ポジションを減らしましたが、8月以降は原油価格が上昇したことから買い増しました。とはいえ、今後も上昇し続けるかについては懐疑的です。
理由としては、OPEC(石油輸出国機構)が減産を発表したためです。減産となるとエネルギー価格は上がるため追い風と判断することもできますが、単純に需要が落ちることを見越しての減産とも考えられます。需要が落ちる理由としては、リセッションが考えられます。リセッションがきて需要が落ちればエネルギー株もどこかで売られる可能性があるかもしれません。そのため、どこかで出口戦略も考えるべきかと考えています。
PXD(パイオニア ナチュラル リソーシーズ)
PXD(パイオニア ナチュラル リソーシーズ)は米国の独立系エネルギー会社。天然ガスの探鉱・生産において米国においてはNo.1企業と認識しています。私も年初では持っていたものの、すぐに売ってしまったことを悔やまれていたため天然ガス価格の高騰を受けて上昇するとみて買った流れとなります。
XLE(エネルギーセレクトセクターSPDR)同様に資源価格が落ち着いてきたり、リセッションにより需要が落ちば急落リスクもあると考えています。とはいえ、優良銘柄ということは間違いないですし高配当株でもあるため、しばらくは様子をみたいと考えています。
売却した銘柄
前回(2022/7/31)から現在(2022/8/28)までに購入した銘柄は特にありませんでした。
チャート分析
S&P500
チャートはS&P500の日足チャート。6/17中旬から上昇が続いてましたが200日移動平均線(白線)で跳ね返されました。
直近のジャクソンホールで急落したため、株価は50日移動平均線(青線)付近までは下落する可能性が高いとみています。50日移動平均線(青線)で反発しなかった場合、6月につけた年初来安値を目指す展開となるため注意が必要でしょう。上昇再開となる場合、200日移動平均線(白線)を明確に超える必要があります。
短期売買をする場合、9月相場はロング(買い)よりショート(売り)の方が分があるとみています。そのため急落リスクを警戒しつつ臨むべきと考えています。
NDX(ナスダック100)
チャートはNDX(ナスダック100)の日足チャート。S&P500同様、6/17中旬から上昇が続いてましたが200日移動平均線(白線)手前で跳ね返されました。
直近のジャクソンホールで急落したため、株価は50日移動平均線(青線)付近までは下落する可能性が高いとみています。50日移動平均線(青線)で反発しなかった場合、6月につけた年初来安値を目指す展開となるため注意が必要でしょう。上昇再開となる場合、200日移動平均線(白線)を明確に超える必要があります。
短期売買をする場合、9月相場はロング(買い)よりショート(売り)の方が分があるとみています。そのため急落リスクを警戒しつつ臨むべきと考えています。
VIX(恐怖指数)
チャートはVIX指数の日足チャート。別名恐怖指数ともいわれておりS&P500が下落すれば上昇し、上昇すれば下落する傾向にあります。
テクニカル分析の観点からみた場合、現在の株価は50日移動平均線(青線)と200日移動平均線付近を越えた付近にいます。移動平均線を下回らずに30を越えてきた場合、リスクオフの流れで株価も下落する流れとなるでしょう。
ファンダメンタル分析の観点からみた場合でもジャクソンホールでパウエルFRB議長がインフレ退治のために利上げを行っていく姿勢を示したため上昇しやすい流れとなりつつあります。ここからの積極的に投資することは控えたい展開です。
米国10年国債利回り
チャートは米国10年国債(米国長期金利)の日足チャート。一時は2.5%付近まで下落しましたが現在は3.04%まで上昇しています。米国長期金利は上昇すれば、株価が下落しやすくなる傾向にあるため注視すべき数字となります。
現状としては米国長期金利が3%以上なら株価は下落しやすく、3%未満であれば株価は上昇しやすい傾向にあるとみています。テクニカル分析の観点からみた場合、現在の株価は50日移動平均線(青線)を明確に越えているため上昇する可能性の高いです。
ファンダメンタル分析の観点からみた場合でもジャクソンホールでパウエルFRB議長がインフレ退治のために利上げを行っていく姿勢を示したため上昇しやすい流れとなりつつあります。さらにパウエルFRB議長はリセッション(景気後退)に陥ったとしても、すぐに金融緩和を再開することを否定しました。これらのことから上昇圧力のほうが高いとみています。
投資方針
ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言をまとめてみました。
・物価の安定はFRBの責任であり、経済の根幹をなすものだ。
・物価の安定がなければ経済は誰にとっても機能しない。
・物価の安定には時間がかかる。
・物価の安定には我々の手段(利上げ)を強力に活用する必要がある。
・9月FOMCはデータや進展する見通しで総合的に判断する。
・過去の記録は早まった金融緩和を強く戒めている。(金融緩和を急ぐべきではない)
・安定した経済を取り戻すにはインフレ期待の支配をほどかねばならない
・仕事(インフレ退治)を成し遂げるまで、やり続けねばならない
パウエル議長発言の主なポイントは以下の通りと判断します。
2、金融緩和を早急を再開するつもりはない
3、経済・株価<<インフレ退治(経済・株価を犠牲にしてでもインフレを退治する)
これまで市場参加者は「インフレが今後落ち着いてくる」「景気後退に陥ってもFRBが金融緩和をして株価を支えてくれるだろう」という期待感を持っていました。その結果6月のFOMC以降、株価急反発してきました。
しかし今回のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言は市場参加者が持っていた期待を砕く内容でした。その結果、NASDAQ100が一日で-4%下げるなど米国市場は急落したのだと思われます。
データを見て判断する姿勢を示したものの、9月のFOMCもおそらく0.75ベーシスポイントの利上げを実施する可能性が高いと思われます。
9月、米国は日本の新学期にあたるレイバーデー明けとなるため機関投資家も休みから帰ってきて出来高(ボリューム)が大きくなること想定されます。米国市場は今後大きく動く展開となりそうです。9月は1年で投資リターンが最も悪い月であることから注意すべきでしょう。
相場でもっとも大切なことは「退場しないこと」。楽観にも悲観にも偏りすぎず、いきたいところです。
軸となるのは、コア・サテライト戦略。コアの部分(インデックス投資、長期保有を前提とする優良な個別株・ETF)をしっかり固めて、サテライト(旬な個別株・ETF、レバレッジをきかせた短期トレードなど)で機動的に攻め、攻守に優れたポートフォリオを築いていくべきでしょう。
コア・サテライト戦略:NEXT FUND

ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言からは「インフレを絶対に退治する」という固い意志を感じました。生半可な利上げで終わらせるつもりないと思われます。9月のレイバーデー明け例年流れが変わりやすいため注意が必要…最悪の場合、リーマンショック級の急落がくることを想定すべきかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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