2022年4月の米国市場は歴史的な株安となり、5月に入ってからも株安が止まりません。NASDAQ(ナスダック)は4月で-13%下落しており、この下落率はリーマン・ショック時の2008年10月に記録した-18%下落した時以来となる大幅な下落となります。
5/4のFOMCでは予想されていた通り、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げと6月QT(量的縮小)開始の発表されました。50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げは2002年5月以来、22年ぶりとなります。
パウエルFRB議長の会見にて懸念されていた75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げについては慎重な姿勢が示され、株価は一時的に急反発しました。しかし翌日は一転、前日の上昇を上回る急落に見舞われました。
NASDAQ(ナスダック)にいたっては年初から-23%ほど下落しており、現在の株式市場は弱気相場の局面といえます。売られ過ぎている印象もあるため株価は一時的に反発する可能性もありますが、上昇が続く可能性は低いとみています。そのため、今後の展開としては乱高下しながらも株価は下落していく流れとなると予想しています。
Myポートフォリオ(2022/5/8時点)
保有銘柄とポートフォリオ内の比率
現在(2022/5/8時点)のポートフォリオ(保有銘柄と比率)は以下のとおりです。
現在のポートフォリオ
前回(2022/4/10時点)のポートフォリオ(保有銘柄と比率)は以下のとおりでした。
前回のポートフォリオ
保有銘柄の詳細
現在(2022/5/8時点)のポートフォリオ保有銘柄の詳細(保有株数、平均取得単価、評価損益率)は以下のとおりです。
前回からポートフォリオのリバランスを行いました。銘柄の追加、保有銘柄の一部利確をしています。
保有銘柄の動き(2022/5/8時点)
前回(2022/4/11)から現在(2022/5/8)までの保有銘柄の動きは以下の通りです。
先進国株式(たわらノーロード):21854 → 21288(-2.59%)
S&P500(eMAXIS Slim米国株式):19472 → 18929(-2.79%)
SBI・V・全米株式インデックス:11400 → 11070(-2.89%)
GLDM(SPDRゴールド ミニシェアーズ):38.56 → 37.37(-3.09%)
AAPL(アップル):170.09 → 157.28(-7.43%)
MSFT(マイクロソフト):296.97 → 274.73(-7.49%)
ABBV(アッヴィ):174.1 → 152.83(-12.22%)
TSLA(テスラ):1025.49 → 865.65(-15.49%)
保有銘柄はXLE(エネルギーセクターETF)を除いて全てマイナスでした。
売買動向
購入した銘柄
前回(2022/4/11)から現在(2022/5/8)までに購入した銘柄は以下の通りです。
新規追加:GLDM(SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト)、ABBV(アッヴィ)
XLE(エネルギーセレクトセクターSPDR)
XLE(エネルギーセレクトセクターSPDR)は今年最も強いエネルギーセクターのETF(上場投資信託)。4月に株価が下落していた時に買い増しておきました。インフレ(物価上昇)が続く今年、株で利益を狙うならエネルギーセクターの個別銘柄かETFを買うことが最も効率的な手段と思われます。
WTI原油が95ドルを明確に割れる、もしくはインフレ(物価上昇)が収まるまでは強い展開を予想しています。
GLDM(SPDRゴールド ミニシェアーズ)
GLDM(SPDRゴールド ミニシェアーズ)は金(ゴールド)のセクターETFとなります。株が弱い局面、またはリセッション(景気後退)局面で金(ゴールド)は強くなる傾向にあるため買った流れとなります。ちなみに私個人としてはリセッション(景気後退)はほぼ確実に到来するとみています。
現在GLDM(SPDRゴールド ミニシェアーズ )はSBI証券、楽天証券では買付手数料無料となります。数ある金(ゴールド)商品の中でGLDM(SPDRゴールド ミニシェアーズ)を選んだ理由は買付手数料がかからずコスト面で優れているためです。
ABBV(アッヴィ)
ABBV(アッヴィ)は米国の研究開発型バイオ医薬品企業。S&P500にも採用されている優良企業です。リセッション(景気後退)局面に強いといわれるヘルスケアセクターで保有したい銘柄を探していたところ、配当利回りが高く株価も伸ばしていたため目を付けました。
ヘルスケアセクターならJNJ(ジョンソン・エンド・ジョンソン)のような優良企業もありますが、キャピタルゲイン(売買差益)は期待しづらいです。キャピタルゲイン(売買差益)に加えて、インカムゲイン(配当利益)にも優れるABBV(アッヴィ)なら今後の株安局面でも保有し続けやすいと感じたため買いました。
売却した銘柄
前回(2022/4/11)から現在(2022/5/8)までに売却した銘柄は以下の通りです。
TSLA(テスラ)
TSLA(テスラ)はポートフォリオ内で30%を越えてオーバーウェイト気味であったため、リバランスのためポジションの1/4ほど利確しました。直近の決算も特に問題なく長期では大きく値を伸ばす可能性が高い銘柄とみています。しかし、良くも悪くもボラティリティ(値動き)が激しい銘柄です。加えて、現在の米国市場は非常に不安定です。
ポートフォリオの値動きを少しマイルドにしたいためポジション量を減らした流れとなります。
MSFT(マイクロソフト)
MSFT(マイクロソフト)はTSLA(テスラ)ほどポートフォリオで大きな割合を占めていませんでしたが、ハイテク株に偏っているポートフォリオのリバランスのためにポジションの2/5ほど利確しました。直近の決算は特に問題なく、長期では値を伸ばす銘柄とみています。
チャート分析
S&P500
チャートはS&P500の日足チャート。株価は2021年5月以来の水準まで下がっています。直近の安値4060を明確に下回った場合、サポートラインがなくなるため3800付近まで急落する可能性があります。
テクニカル分析の観点からみても、現在の株価は50日移動平均線(青線)を明確に下回っているため弱いです。もし反発したとしても50日移動平均線(青線)がレジスタンスとなります。50日移動平均線(青線)を超えれたとしても200日移動平均線(白線)がレジスタンスとなるため反発しても4500付近が限界といった印象です。
ファンダメンタル分析の観点からみても6/15に再びFOMCがあり、さらにはQT(量的縮小)開始も予定されています。目先は売られすぎているため反発する可能性は十分ありますが、長くは続かないと見ておいた方が良いでしょう。
NDX(ナスダック100)
チャートはNDX(ナスダック100)の日足チャート。株価は2021年3月以来の水準まで下がっています。年初来安値を更新しており、S&P500と比べても輪をかけて弱いです。12200あたりにサポートラインはあるものの、この水準を割り込んだら12000まで下落する可能性があります。
テクニカル分析の観点からみても、現在の株価は50日移動平均線(青線)を明確に下回っているため弱いです。もし反発したとしても50日移動平均線(青線)がレジスタンスとなるため、14000付近で上値を抑えられる可能性が高いと思われます。50日移動平均線(青線)を超えれたとしても200日移動平均線(白線)がレジスタンスとなるため、現環境ではどれだけ反発しても今の環境化では15000までが限界とみています。
DJI(ダウ指数)
チャートはDJI(ダウ指数)の日足チャート。株価は2021年3月以来の水準まで下がっています。S&P500とNDX(ナスダック100)と比べると踏ん張っていますが、株価の動きとしては弱いです。直近の安値32300を明確に下回った場合、サポートラインがなくなるため31000付近まで急落する可能性があります。
テクニカル分析の観点からみても、現在の株価は50日移動平均線(青線)も明確に下回っているため弱いです。もし反発したとしても50日移動平均線(青線)がレジスタンスとなります。50日移動平均線(青線)を超えれたとしても200日移動平均線(白線)がレジスタンスとなるため反発しても35000付近が限界とみています。
AAPL(アップル)
チャートはAAPL(アップル)の日足チャート。株価は現在、200日移動平均線(白線)を少し下回った水準にあります。
AAPL(アップル)はこれまで200日移動平均線(白線)付近で反発しているため、そこまで心配はしていません。決算も良かったですし、株価の動きもGAFAM(Google、Apple、Facebook(Meta)、Amazon、Microsoft)の中でAAPL(アップル)は最も安定した動きを見せています。
しかし50日移動平均線(青線)が200日移動平均線(白線)をデッドクロスしてしまった場合、年初来安値を割り込む可能性があるとみています。そのため、AAPL(アップル)は今が踏ん張りどころです。
なお、私個人としてはAAPL(アップル)はトレードする株ではなくホールドする株とみています。
※AAPL(アップル)は長期投資枠としてみているため株価の動きは気にしないでいく予定です。
TSLA(テスラ)
チャートはTSLA(テスラ)の日足チャート。4月以降、急落して200日移動平均線(白線)を少し下回った水準にあります。
もし現在の水準からさらに下落して50日移動平均線(青線)が200日移動平均線(白線)をデッドクロスしてしまった場合、年初来安値である700を目指す可能性もあるとみています。TSLA(テスラ)は今が踏ん張りどころでしょう。
MSFT(マイクロソフト)
チャートはMSFT(マイクロソフト)の日足チャート。4月以降、急落して50日移動平均線(青線)が200日移動平均線(白線)が明確にデッドクロスを形成。株価も年初来安値の付近にいます。
決算は良かったのですが、株価に勢いはありません。優良銘柄であることは疑いようがないのですが、今後の利上げに加えてQT(量的縮小)が来る局面では少し厳しい印象を持っています。
S&P500やNDX(ナスダック100)がこのまま下値を切り下げる場合、一緒に落ちていく可能性が高いとみています。
XLE(エネルギーセレクトセクターSPDR)
チャートはXLE(エネルギーセレクトセクターSPDR)の日足チャート。米国市場が急落する中、最高値を更新しており無類の強さを発揮しています。この株価の動きを見ると「ベアマーケット(弱気相場)の中でもブルマーケット(強気相場)は存在する」ことがわかります。
テクニカル分析の観点からみても50日移動平均線(青線)と200日移動平均線(白線)を明確に上回っているため極めて強いチャートの動きです。現在は50日移動平均線(青線)がサポートとなっているため落ちたら買いだと思われます。
ただ原油価格が急落したり、インフレ(物価上昇)が収まってくると株価も落ちてくる可能性があると思われます。また、利上げとQT(量的縮小)が進んで株安に拍車がかかるとエネルギーセクターであろうと被弾する可能性もあります。しかし現状、今年最強のセクターは間違いなくエネルギーセクターであるためいけるところまで付いていくしかありません。
エネルギーセクターはグロース株と逆相関の動きをする印象が強いため、リスクヘッジも兼ねて引き続き保有すべきとみています。
今後の投資方針
まず5月FOMCの内容をまとめてみました。
・今回のFOMCで50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを実施
・75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げには慎重な姿勢
・経済情勢が見通し通りなら今後2回(6・7月)のFOMCで50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを検討
・今後50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが議論されるべきだとの考えを共有
・今後の利上げ幅は新たなデータや経済見通しを踏まえ、決定する
QT(量的縮小)
・QT(量的縮小)を2022年6月より開始する
・2022年6月から毎月475億ドルを上限に圧縮
・9月には月額950億ドルまで増やす予定
その他注目発言
・米国の経済情勢は金融引き締めを進めるのに十分な状況
・強力な労働市場を保つにはインフレ率の低下が不可欠
・ロシアのウクライナ侵攻はインフレに上昇圧力
・中国のロックダウンはサプライチェーンの混乱を悪化させる
内容としてはおおかた事前に話していた通りという印象でした。しかし、急騰した翌日に急落したことから市場参加者は米国の先行きをかなり懸念している印象を受けます。おそらく今後も乱高下を繰り返す不安定な相場環境が続くと思われます。
今回の5月FOMCについては後藤達也さんがまとめていただいていたため、詳しく知りたい方はご確認いただくとより深く理解できると思われます。以下、リンクを貼らせていただきます。
目先のところは過度に悲観な雰囲気となりつつあるため、FRB(アメリカの中央銀行)がややハト派な発言をする可能性は高く、株価は一時的に反発することを予想しています。とはいえ、株価が再び高くなればFRB(アメリカの中央銀行)の発言も再びタカ派に寄る可能性が高くなることが予想されます。そのため今週以降、もし株価が反発はそこまで長く続かないとみておくべきでしょう。
今年は予想されていた通り「Sell in May(株は5月に売れ)」が当てはまる年になりました。とはいえ、株価とは上下しながら動くもの。今年は「楽観的な時こそ悲観的になり、悲観的な時こそ楽観的に」なった方が勝率が良いように感じています。
6/15FOMCは更にリスクが高まる可能性が高いです。FRBが今後も利上げとQT(量的縮小)を続けていく状況を踏まえると長期投資を軸にしている方はつみたてNISAなど積立投資だけ継続して、しばらくは「休むも相場」のスタンスでいた方が良いかもしれません。
金融相場も終わって、現在は業績相場のステージにいるかと思われます。しかし現在のマーケット環境を踏まえると業績相場は短命で終わり、次の逆金融相場に突入する可能性も視野に入れるべきかもしれません。
現在のマーケット環境で利益を出すには今年調子が良いエネルギー・公共事業セクターなどを中心に投資するか、売りも絡めた短期トレード(CFD、FX、信用取引)など、限られた方法しかないと思われます。自身の裁量に応じて対応していきましょう。
相場でもっとも大切なことは「退場しないこと」。株価がさらに下落しないにこしたことはありませんが、今年のマーケット環境は例年とは比較にならないくらい悪いです。山が高ければ、谷も深いもの。最悪を想定しつつキャッシュ比率を高めて、好機に動けるように資産管理していきたいと思います。
軸となるのは、コア・サテライト戦略。コアの部分(インデックス投資、長期保有を前提とする優良な個別株・ETF)をしっかり固めて、サテライト(旬な個別株・ETF、レバレッジをきかせた短期トレードなど)で機動的に攻め、攻守に優れたポートフォリオを築いていくべきでしょう。
コア・サテライト戦略:NEXT FUND

今年に入ってから難易度が高い相場が続いてます。当面は乱高下しながら下落していく流れを想定しています。退場だけはしないよう自分にとって適正なリスクを判断して難局を乗り越えましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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