米国市場は先週(11/22~26)、ダウ、S&P500、ナスダック100、ラッセル2000はすべての主要指数が大きく下落。久々に大幅に下げる週となりました。
南アフリカのコロナ新変異種「オミクロン」の発見と感染拡大を受けて、世界中の株価が大きく売られる流れとなりました。「オミクロン」についてはまだ不明な点が多いですが、ファイザー、バイオンテック、モデルナなどは「6週間以内にワクチンに適用し、100日以内に出荷できる」と声明を発表していることから必要以上に悲観する必要はないと思われます。
先週を振り返りつつ、今後の展望について語っていきたいと思います。
注目ニュース(2021/11/22~26)
南アフリカのコロナ新変異種「オミクロン」の報道で株価が急落!
南アフリカで発見されたコロナ新変異種「オミクロン」の感染拡大を受けて、世界中の株価が大きく下げています。現状わかっていることは以下のとおりです。
・多数の変異を持ち、感染力が高い恐れあり
・世界ですでに広がっている恐れも
・ベルギー、イスラエルに続き、イギリス、ドイツ、イタリアでも感染確認
・渡航制限や隔離措置、各国で強化
ワクチンを製造する製薬大手とメディアなど各社の声明は以下のとおりです。
モデルナ「南アフリカ変異株向けワクチンは60日以内に発売可能。量産体制を整えるには数カ月必要」
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)「南アフリカで確認され急速に広がる変異型ウイルスに対するワクチンの有効性についてすでに調査している」
CNBC「ファイザーならびにメルクが出している経口新型コロナ薬は十中八九南ア変異株に効く」
CNBCメグ・ティレル記者「mRNA技術を使えば南ア変異種対応型ワクチンをデザインすることは簡単。そもそも現行のワクチンを手直しする必要ないかも」
コロナ新変異種「オミクロン」についてはまだ不明な点が多いですが、ファイザー、バイオンテックなどは60日以内にワクチンを発売可能。100日以内に量産可能といっていることから必要以上に悲観する必要はないと思われます。
月曜日は引き続き下落するリスクはありますが、火曜日あたりから株価は反発するのではないかと思っています。米長期金利が急騰せず、VIX(危険)指数が落ちてくる状況であれば買いと判断して良いでしょう。
FRB議長はパウエル続投で決定!
次期FRB議長の人事が決定してパウエルFRB議長の続投が決定しました。パウエルFRB議長の続投を受けて、利上げ予想が加速。米長期金利(米国債10年利回り)も一時1.67まで上昇しました。
米長期金利が上昇した背景としては、これまで「2022年の利上げは2回」と予想されていたところ、パウエルFRB議長の続投を受けて「2022年の利上げは3~4回」との予想に変わったためでしょう。利上げを急ぐ理由としては、経済の過熱とインフレ(物価上昇)を抑えるためです。
利上げ予想については、日本経済新聞の後藤達也さんがまとめてくださっているのでツイートを引用させていただきます。
🇺🇸利上げ予想 加速
下記グラフ、一目瞭然です。雇用・物価指標やFRB幹部発言に注意が一段と必要になっています・パウエルFRB議長の再任指名で利上げ予想が加速
→ 2022年前半にも利上げするとの予想も浮上
・強いインフレがなかなか収まらず
・FRB内ではテーパリング加速論も pic.twitter.com/32DIIJZs5R— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) November 23, 2021
しかし、南アフリカで発見されたコロナ新変異種「オミクロン」の感染拡大を受けて米長期金利は1.48まで低下しています。これはコロナ感染拡大を受けて「2022年の利上げ回数が落ちるではないか?」と市場参加者が感じたためと思われます。
とはいえ、利上げが遅れるとインフレが収まらず、最悪の場合は景気後退局面でのインフレに当たるスタグフレーションとなる可能性もあります。コロナ新変異種「オミクロン」の感染拡大して以降、パウエルFRB議長は今のところ特に声明は発表していないため発言に注目したいところです。
米国市場の動き(2021/11/22~26)
米国主要指数
先週(2021/11/22~26)、米国市場の主要指数の動きは以下の通りでした。
S&P500:4697.95 → 4594.61(変動値:-103.34 変動率:-2.20%)
ナスダック100:16573.34 → 16025.58 (変動値:-547.76 変動率:-3.31%)
ラッセル2000:2343.16 → 2245.93(変動値:-97.23 変動率:-4.15%)
以下は2021/11/28時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
先週はダウ、S&P500、ナスダック100、ラッセル2000はすべての主要指数が大きく下落。久々に大幅に下げる週となり、11月はナスダック100以外はマイナスとなっています。
米長期金利(米10年国債利回り)は週明け、パウエルFRB議長続投を受けて急騰しましたが、南アフリカで発見されたコロナ新変異種「オミクロン」の感染拡大を受けて急落。先週終値を下回っています。
VIX(恐怖指数)がコロナ新変異種「オミクロン」の報道から急騰。9月下旬以来の数値となっていますが、VIX指数は今年急騰後に急落する傾向にあります。VIX指数が下がってきたら株は買い場到来とみています。
S&P500は11月以降、翌年1月まで例年強いです。今年は10月が強く11月は低調でしたが、12月がアノマリー通りの動きとなるか注目です。
S&P500ヒートマップ
先週(2021/11/22~26)、S&P500ヒートマップの各銘柄の動きは以下の通りでした。
S&P500(直近1週間の動き):finviz
先週は久々の全面安でした。コロナ感染拡大を受けて上げているのはPFE(ファイザー)、MRNA(モデルナ)といったワクチン関連銘柄が多いです。状況が状況なので、これらの銘柄が上がるのは自然なことだと思います。
以下はコロナ感染拡大を受けて急落した11/26のS&P500ヒートマップとなります。
ヘルスケアセクターが緑が多く、強いのがわかるかと思われます。その中でPFE(ファイザー)、MRNA(モデルナ)以外で大きく上昇している銘柄に注目すべきと考えています。
私はDHR(ダナハー)が注目すべき銘柄と考えます。DHR(ダナハー)はインフルエンサーの方を始め、推している方も多いため知っている方も多い銘柄だと思います。
ダナハーは医療機器と計測装置を扱う米国の大手メーカー。世界50カ国以上で事業を展開する、グローバルな優良会社です。私も前々から買いたかったものの機会を逃していたところ、11月上旬頃に急落していたところ買いました。
2022年以降はおそらく「利上げ」「インフレ」「米長期金利」「コロナ感染状況」などの報道で株価は乱高下しやすいと思われます。そんな中でインデックス投資だけでなく、個別株もやるのであれば安定感のある銘柄は必要となってくると思われます。今回の動きでDHR(ダナハー)の安定感は素晴らしかったです。どんな状況でも安心して保有できる銘柄の一つと思われます。
もちろん極論をいえば、VTI(全米株式インデックス)で十分でしょう。しかし個別株投資もやるのであれば、こういう情報も必要かと思い紹介させていただきました。
今週のスケジュール
今週のスケジュールを日本経済新聞の後藤達也さんがまとめてくださっているのでツイートを引用させていただきます。
◆もう12月
今週はマーケットイベントが盛りだくさんです。経済指標では金曜の米雇用統計が目玉ですが、コロナ変異種「オミクロン」の動向も気がかりです。11/26(金)にマーケットが大荒れとなりましたが、動揺は収まるのか――適宜、状況をツイートしていきます pic.twitter.com/ijS1Le6Ays— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) November 28, 2021
11/29~30にパウエルFRB議長の講演と議会証言があるため注目です。週末には米雇用統計があるため、そちらも注目ですね。ただ、11月雇用統計は過去のデータ。オミクロンの出現により、状況が以前とは異なるため市場への影響がどの程度となるか注視したいところです。
今週の決算スケジュール
今週はCRM(セールスフォース)、CRWD(クラウドストライク)、OKTA(オクタ)、DOCU(ドキュサイン)、SNOW(スノーフレイク)などのSAAS銘柄を中心に注目の決算があります。
決算スケジュールはEarning Whispersより引用させていただきます。
#earnings for the week https://t.co/lObOE0dgsr $LI $CRM $CRWD $DOCU $SNOW $AI $DG $MRVL $ZS $ASAN $OKTA $ULTA $AMBA $NTAP $SIG $EXPR $HPE $BBW $BQ $BNS $JKS $FRO $MOMO $HIBB $SPLK $SWBI $QH $RY $CHS $BZUN $FIVE $BOX $VERU $YJ $KR $CTRN $TD $VEEV $BIG $GMS $DOOO $CM $EMKR $PVH pic.twitter.com/ObblTlqLLf
— Earnings Whispers (@eWhispers) November 27, 2021
個人的ながら、注目はCRWD(クラウドストライク)でしょう。この会社は今のところ決算ミスはありません。直近ではパウエルFRB議長の続投から米長期金利の低下を受けて、株価も下落してきています。チャートでは日足200日移動平均線を下回ってしまっており、踏ん張りところです。
コロナ感染拡大を受けて米長期金利が落ちているため、決算が良ければ反発する可能性は高いです。今回の決算で反発できるか、注目したいところです。
為替相場の動き(2021/11/22~26)
通貨強弱
先週(2021/11/22~26)、為替相場の各通貨の動きは以下の通りでした。
為替変動率・変動値
2021/11/28時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
先週の為替相場は円高。特にポンドと豪ドルが弱かったです。
円高要因としては、南アフリカのコロナ新変異種「オミクロン」の発見と感染拡大を受けてのリスクオフでしょう。やはり、リスクオフ局面では安全資産の円が買われます。
来週以降、円がさらに買われるようだとリスクオフが継続となります。しかし、円買いが落ち着くようであればリスクオンの流れとなるため、株にとっても追い風となるでしょう。
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コロナ感染を受けて株は急落!しかし来週は買い場とみています。VIX指数が下がって、ドル円などクロス円が上昇するようであれば株は買いにいっても問題ないとみています。米長期金利が急騰しなければグロース株も問題ないとみます。注意しつつもチャンスを狙いましょう!
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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