【次期FRB議長の人事に注目!】現在の米国株の上昇は歪(いびつ)!?欧州コロナ感染が再拡大でユーロ安が進行 |2021年11月21日更新

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先週(2021/11/15~19)、米国市場はS&P500、ナスダック100は上昇。しかしダウ、ラッセル2000下落。強弱まちまちの週となりました。

オーストリアが22日から再びロックダウンするなど欧州でのコロナ感染の再拡大を受けて、米長期金利が低下。次期FRB議長の人事が大詰めとなっており、パウエルFRB議長が続投か、ブレイナードFRB理事が昇格するかで分かれています。人事は今後の金融政策に大きく影響するため注目です。

先週を振り返りつつ、今後の展望について語っていきたいと思います。

注目ニュース(2021/11/15~19)

欧州でコロナ感染が再拡大!オーストリアが再びロックダウン

オーストリアがコロナ感染急増を受けて、再びロックダウンを決定。ドイツなど欧州でコロナ感染が拡大が続いております。市場では他の各国に再規制が広がる懸念が広がっています。

欧州のコロナ感染状況については、日本経済新聞の後藤達也さんがまとめてくださっているのでツイートを引用させていただきます。

欧州感染拡大を受けての株式市場への影響が懸念されますが、影響は限定的とみています。現在はコロナに対するワクチンや治療薬が存在し、新薬も続々と出ています。当面は厳しい状況が続くものの規制を強化すれば、欧州の感染拡大は時間の経過とともに落ち着いてくると考えられます。

次期FRB議長の人事が大詰め!パウエルか、ブレイナードか

次期FRB議長の人事が大詰めとなっており、パウエルFRB議長が続投するか、ブレイナードFRB理事が昇格するかで分かれています。結果は近く公表されるそうです。ブレイナードFRB理事が議長になる場合、パウエルFRB議長の任期は来年2月までとなります。

パウエルFRB議長の功績としては、やはり2020年コロナショックの対応があげられるでしょう。コロナショック後、緊急利下げや大量の資産購入など的確な政策を矢継ぎ早に打ち出し、ショック後の株価急回復から現在の株高局面を作り出しました。テーパリング(資産購入の減額)や利上げの道筋も示しており、市場との対話のうまさは高い評価を受けています。

ブレイナードFRB理事はパウエルFRB議長の判断に賛成しており、大枠では同じです。しかしパウエル議長よりハト派(緩和に消極的)との評価が多くです。現在の利上げ開始時期は2022年中旬との予想が多いですが、ブレイナードFRB理事が昇格した場合、利上げの時期が現在の予定より遅れる可能性が高くなるかもしれません。

FRBの人事についても、日本経済新聞の後藤達也さんがまとめてくださっているのでツイートを引用させていただきます。

パウエル議長続投なら大きな流れは変わらないため特に問題はないです。しかしブレイナードFRB理事が昇格した場合、今後の動き変わりそうです。

ブレイナードFRB理事はハト派なのでFRB議長になった場合、おそらく米長期金利は低下します。よって短期的にはグロース株を中心に株価は伸びると考えられます。

しかし、テーパリングと利上げはそもそも経済の過熱やインフレを抑えるために行う政策です。テーパリングと利上げが遅れれば最悪の場合、来年のどこかで現在のバブルが弾ける可能性が高くなります。そうなれば、株価はもちろん急落します。

ブレイナードFRB理事が議長に昇格した場合、来年の米国株の危険度が増すと考えたほうが良いでしょう。

2022年は株安!?海外著名投資家・Puru氏は既に注意喚起

海外著名投資家・Puru Saxena氏が現在の相場状況を解説するとともに来年の相場に対して悲観的なツイートをされていたので紹介したいと思います。

以下、Puru Saxena氏のツイートを引用させていただきます。

※ツイートは削除されてしまったようです。

翻訳:高成長株の多くが激しく売られ、中には何の「ニュース」もなく8~10%下落したものもあります。

市場の幅は日に日に狭くなっており、指数を支えているのはほんの一握りの銘柄です。これらの銘柄が最後に撃たれることになるでしょう。

市場のトップはプロセスであり、一日の出来事ではない。

過去、QEサイクルが終了すると、すべての銘柄が程度の差こそあれ下落しました。

あるものは他のものより先にトップアウトしましたが、何も惜しくはありませんでした。今回のQEサイクルは、月に1,200億ドルという大規模なものでした。

QEがこの驚異的な資産ブームを引き起こしたのであれば、その終わりも同様に壮大なものになる可能性が高いです。時間が解決してくれるでしょう。

QEはFRBによる資産購入を指します。現在、S&P500とNASDAQ100といった指数は新値を突破するなど米国株は力強い上昇をみせています。しかし実態としては、一部の強い銘柄が指数を押し上げている状況で下落している銘柄数の方が多い状況です。

2021年Q3の決算内容は予想を上回る企業の方が多かったです。そんな状況で特にニュースもないのに下げている銘柄が多いということは、市場参加者が既に来年の株式市場に懸念を抱いているからではないかと考えられます。そして、現在上昇している銘柄も「来年のどこかで落ちるだろう」とPuru Saxena氏は指摘しています。

コロナショック後、FRBによる資産購入はリーマンショック時を上回り、歴史上最大規模です。それを縮小していき利上げも行っていく流れにあるため、来年は利上げが意識される時期が近づくにつれて株が崩れる可能性が高くなっていくでしょう。

今は強気で良いですが、来年は弱気相場の可能性もあることを見据えて対策を練っておく必要がありそうです。

米国市場の動き(2021/11/15~19)

米国主要指数

先週(2021/11/15~19)、米国市場の主要指数の動きは以下の通りでした。

米国主要指数 | 11/15~11/19の動きダウ:36100.32 → 35601.99 (変動値:-498.64 変動率:-1.38%)
S&P500:4682.86 → 4697.95(変動値:+15.09 変動率:+0.32%)
ナスダック100:16199.89 → 16573.34 (変動値:+373.45 変動率:+2.31%)
ラッセル2000:2411.78 → 2343.16(変動値:-68.62 変動率:-2.85%)

以下は2021/11/21時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。

先週はS&P500、ナスダック100は上昇。しかしダウ、ラッセル2000下落。強弱まちまちの週となりました。ダウとラッセル2000が下げているのは米長期金利の低下が影響していると思われます。

米長期金利(米10年国債利回り)が週明けから上昇してましたが、欧州のコロナ感染拡大を受けて急落。終値としては先週と同水準ほどでした。

VIX(恐怖指数)がここ一ヶ月、じりじりと上昇してきています。まだ低い水準ではあるものの注意したいところです。

S&P500は11月以降、翌年1月まで例年強いです。今は強気で問題ないでしょう。ただ、来年の2月以降は注意が必要でしょう。

S&P500ヒートマップ

先週(2021/11/15~19)、S&P500ヒートマップの各銘柄の動きは以下の通りでした。

S&P500(直近1週間の動き):finviz

先週は強いセクターと弱いセクターがハッキリと分かれた週となりました。

好決算を出したNVDA(エヌビディア)HD(ホームデポ)LOW(ロウズ)が上昇。アップルカーの報道を出したAAPL(アップル)、イーロン・マスクの持ち株売りが話題のTSLA(テスラ)、コロナ感染拡大を受けてMRNA(モデルナ)などが大きく上昇しました。

下落が目立つのはV(ビザ)PYPL(ペイパル)など決済関連の銘柄、CCL(カーニバル)BKING(ブッキング)など旅行関連の銘柄、あとはエネルギーセクターあたりでしょうか。

全体を見てみると落ちている銘柄の方が多いです。Puru Saxena氏は「指数を支えているのはほんの一握りの銘柄」と言ってますが、S&P500ヒートマップを見るとまさにその通りです。finvizで期間を「1Month Performance(1ヶ月のパフォーマンス)に広げると指数を支えている銘柄が何かよくわかります。

現在の米国株は上昇する銘柄が減ってきており、下落する銘柄が増えてきているにも関わらず指数は上昇する歪(いびつ)な動きをしています。この動きは株価の急落前によく見られる動きです。

個別株の難易度が確実に上がっているため、ここから買うなら逆張りは危険なので高くてもトレンドフォローでいく方が安全でしょう。この状況なら、もはやVTI(全米株式インデックス)で良いようにも思えます。

今週の決算スケジュール

今週はZM(ズームビデオ)、FUTU(フツ)などの決算があります。

決算スケジュールはEarning Whispersより引用させていただきます。

注目はやはりZM(ズームビデオ)でしょう。前回の決算は成長の鈍化から大きく売られる結果となりました。今回の決算で汚名返上となるか注目されるところです。もし前回に続いて決算を2連続でミスるようなら悪い決算が癖になる可能性があるため、長期浮上できない可能性が高くなります。

今回の決算はZM(ズームビデオ)の今後を見定める上で重要です。

為替相場の動き(2021/11/15~19)

通貨強弱

先週(2021/11/15~19)、為替相場の各通貨の動きは以下の通りでした。

為替変動率・変動値

2021/11/21時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。

先週の為替相場はドル高円高ポンド高。今週はポンドがやや反発。ドルが強い状況が続いており、ユーロ豪ドルが一層弱くなりました。

ユーロ安の要因については、欧州コロナ感染拡大によるオーストリアのロックダウン。ラガルドECB(欧州中央銀行)総裁より「早まって金融引き締めを急いではならない」「インフレ率は年末までさらに上昇する」との発言。ドイツのスパーン保険相の 「国家的な緊急事態に陥っている」 「新型コロナの感染状況は先週よりも深刻」 「ワクチン接種だけでは十分ではない」との発言が影響したものと思われます。

豪ドル安の要因については、おそらく原油安が要因と思われます。豪ドルの資源国通貨であるため原油など資源価格が落ちると売り圧力が強くなります。そして、リスクが高まると買われるのが金利がなくて、世界的に信頼されている我らが通貨・となります。

ここから円がドルより強くなる局面となるとリスクオフ。ドル円が崩れるか、崩れないかがバロメーターとして機能しているためドル円の動きには引き続き注意したいところです。

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チャボ
チャボ

米国株は2022年のどこかで急落すると思います。今の米国株は力強い上昇をみせていますが、テスラ、エヌビディア、GAFAMなど一部の強い銘柄が押し上げている状況。株価が下落している銘柄の数は増えています。

テーパリングや利上げなどで現在牽引している銘柄が崩れた時にどう動くか、その時までにアセット・アロケーションをどう調整するか、投資家としての力量が示されそうです。

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

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