先週(2021/10/4~8)、米国市場はダウが反発。S&P500、ナスダック100も小幅ながら上昇。ラッセル2000は小幅に下落する流れとなりました。
懸念されていた米債務上限問題は12月上旬まで延長することで与野党で合意。米国債デフォルトという事態がひとまず回避されたことから市場に安心感が広がり、株価も反発しました。
10/8(金)に発表された米9月雇用統計は雇用者数19.4万人増(予想50万増)、 失業率4.8%(予想 5.1%)。雇用者数が予想を大きく下回るも、失業率は改善。強弱まちまちな結果でした。
先週を振り返りつつ、今後の展望について語っていきたいと思います。
米債務上限問題が12月上旬まで延長
10/18期限だった米債務上限問題を12/3まで延長することで与野党で合意されました。米国債デフォルトという事態がひとまず回避されたことから米国市場には安心感が広がり、今週は株価も反発しました。
しかし、野党(共和党)は何も譲歩しておらず、問題を先送りしたに過ぎません。米国は歴史上、債務上限問題で米国債デフォルトという事態になったことはかつて一度もないため今回もデフォルトに陥ることはないと思われます。
しかし、問題の長期化はリスク要因をそれだけ長引かせるということ。野党(共和党)は来年の中間選挙で巻き返しを画策しており、与党(民主党)にたいして「財政面で不埒」という印象を国民に植え付ける狙いがあるという声も。
問題が長引けば長引くほど、与党(民主党)に対して悪い印象を醸し出すことができるため12月になるまでに米債務上限問題が尾を引く可能性があります。
自体が長引けば、重要な懸案が12月に集中する状況になりかねません。今の状況ではアノマリー的に強気に攻めやすい11月ですら、積極的に株を買いにいける状況とは言いづらいです。本格的な買いを出動はまだ先となりそうです。
米9月雇用統計は雇用者数✕ 失業者数◯
米9月雇用統計は雇用者数19.4万人増(予想50万増)、 失業率4.8%(予想 5.1%)。雇用者数が予想を大きく下回るも、失業率は改善。強弱まちまちの結果でした。
米9月雇用統計の詳細については、日本経済新聞の後藤達也さんがまとめていただいたのでツイートを引用させていただきます。
【速報】🇺🇸雇用統計
・9月雇用:19.4万人増
市場予想:50.0万人増#雇用統計 pic.twitter.com/KQU3NUkIjk— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) October 8, 2021
現在、11月FOMCでテーパリング開始が発表される可能性が高いですが、今回の雇用統計の内容は11月テーパリング開始を決定づけるほどの内容ではなかったと思われます。
また、今回の雇用統計を受けて米長期金利(米10年国債利回り)が上昇したことが気になりました。通常、米長期金利の上昇はグロース株を筆頭に株価にとってはマイナス材料です。米長期金利は9月上旬時点で1.3程度でしたが、現時点で1.621と1ヶ月で20%以上も上昇しています。
以下は一般的な理論株価の算出方法となります。
直近の米長期金利の急上昇に対して、株価はまだ大きな調整は受けていないと思われます。米長期金利の動きが正しい場合、株価はまだ下落する可能性が高いと思われます。
米国市場の動き(2021/10/4~8)
米国主要指数
先週(2021/10/4~8)、米国市場の主要指数の動きは以下の通りでした。
S&P500:4357.05 → 4391.35(変動値:+34.3 変動率:+0.79%)
ナスダック100:14791.87 → 14820.75 (変動値:+28.88 変動率:+0.20%)
ラッセル2000:2241.63 → 2233.09(変動値:-8.54 変動率:-0.38%)
先週の米国市場はダウが反発。S&P500、ナスダック100も小幅ながら上昇。ラッセル2000は小幅に下落する流れとなりました。
私見となりますが、米長期金利が上昇してリスク要因も多いにも関わらず下落が足りないと感じています。米長期金利の上昇に弱いナスダックでさえ、最高値からまだ5%程度しか下落してない現状は調整局面ですらないはず。買い場はまだ先とみています。
以下は2021/10/10時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
S&P500ヒートマップ
先週(2021/10/4~8)、S&P500ヒートマップの各銘柄の動きは以下の通りでした。
S&P500(直近1週間の動き):finviz
今、特に強いのはエネルギーセクターです。これは原油など資源価格が上昇している点とサプライチェーンの乱れによりインフレが進んでいるからと思われます。しかし、フェイスブック(FB)、モデルナ(MRNA)、カーニバル(CCL)など大きく売られている銘柄も見られます。
為替相場の動き(2021/10/4~8)
FX通貨強弱
先週(2021/10/4~8)、為替相場の各通貨の動きは以下の通りでした。
FX変動率・変動値
2021/10/9時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
先週(2021/10/4~8)の為替相場はリスクオンの流れで円安が進みました。一方で豪ドルとポンドが強い週となりました。円安の要因としては米債務上限問題の延長と思われます。
また、日本以外の各国がテーパリングや利上げを行っていくなか日銀だけ相変わらず金融緩和を継続する路線でいます。さらに有事が発生したら「躊躇なく追加緩和する」とまで言っているわけなので、余程のリスクオフにでもならない限りは円高にはならない流れとなっています。
リスクが増えてきているもののの、明確なトレンド転換が起きるまでは円安が進みそうです。
まとめ
- 米債務上限問題が12月上旬まで延長!市場は一旦リスクオンで反応。しかし、問題を先送りにしただけで解決されていないため楽観は注意。
- 米9月雇用統計は「雇用者数✕ 失業者数◯」と強弱まちまちの結果。米長期金利が急上昇している状況で株価は反発ため、今週は下落の恐れも。
- 先週の米国市場はダウが反発。S&P500、ナスダック100も小幅ながら上昇。ラッセル2000は小幅に下落。
- 先週の為替相場はリスクオンの円安が進行。明確なトレンド転換が起きるまでは円安継続か。
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米債務上限問題が12月上旬まで延長することで与野党で合意されました。しかし、これは問題を先送りにしたに過ぎず、株の買い場も遠のいてしまったと思われます。リスク要因は何も解決されておらず、株価は下落リスクのほうが高いとみています。
ちなみに私事ですが、CFD取引をはじめることにしました。CFD取引では株価指数(例:日経225、ダウ30、S&P500、ナスダック100)や商品(例:金、原油)など、幅広い資産に投資することができます。FXと似ており「売りからも買いからも入れる」「レバレッジをかけられる」といった特徴があります。投資というより投機の側面が強いですが、私としては為替より株の方がやりやすいため試していくことにしました。現状は試運転となりますが、将来的にはブログでのアウトプットもできればと考えています。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
私、チャボはMyポートフォリオも公開しております。twitter(@jeimus_fuccon)にて米国株、FX(為替相場)について発信しているのでご興味ございましたらフォローよろしくお願いします!
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