先週はワクチン接種による副反応でお休みさせていただいたため、久々の更新となります。
先週(2021/9/20~24)、米国市場は中国恒大集団(エバーグランデ)のデフォルト(債務不履行)危機により週明け下落したものの、その後は急反発。ダウ、S&P500、ラッセル2000は小幅に上昇。ナスダック100のみ小幅に下落する流れとなりました。
9月相場は今のところ下落しており、軟調な相場が続いています。9/22FOMC(米国連邦公開市場委員会)でのパウエル議長の発言から11月テーパリング(緩和縮小)開始が濃厚の流れとなりました。直近では中国恒大集団(エバーグランデ)のデフォルト(債務不履行)危機の問題をはじめ、リスク材料も増えてきております。
中国恒大集団(エバーグランデ)はパウエルFRB議長も「中国固有の問題に思える」と発言しており、今のところ米国市場は大きな崩れまでには至っておりません。しかし、30日間の猶予期間内に債務を支払えなければデフォルト(債務不履行)となるため、リスクはまだ消えたわけではありません。中国政府もまだ明確な方針を示していないため、引き続き警戒が必要でしょう。
先週の相場を振り返りつつ、今後の展望について語っていきたいと思います。
中国恒大集団がデフォルト危機のリスク
現在、中国恒大集団(エバーグランデ)がデフォルト(債務不履行)危機に直面しています。この問題については調べたかぎり、楽観論と悲観論の双方が飛び交っている印象を受けます。
楽観論としては「中国固有の問題であるため影響は限定的」「中国政府が最終的には救済する」といった意見。悲観論としては「中国版リーマンショックではないか」「中国政府は救済しないのではないか」といった意見を目にします。
先週の週明けに株価が急落するなどしたものの、今のところマーケットはこの問題を大きなリスクとみていない印象を受けます。しかし、中国恒大集団(エバーグランデ)が23日の期限までにドル建て債券の利払いをできておらず、30日間の猶予期間内に支払えなければ、正式に債務不履行(デフォルト)となる可能性があります。
中国政府が明確な方針を示すまでは、ポジティブな報道とネガティブな報道が繰り返される展開が続くことが予想されます。株も為替も乱高下が予想されるため、中国政府が明確な方針を示すまでは決めつけてかからないよう気をつけたいところです。
FOMCにてテーパリング開始は11月が濃厚に
9/22のFOMCでパウエルFRB議長が「経済順調ならテーパリングは11月のFOMCで決定する」と発言しました。また、利上げ開始時期も2023年開始予想から2022年の利上げ開始予想に前倒しする方向であることが示されました。これまではテーパリングに対して慎重なハト派な発言が目立つパウエル議長でしたが、今回は米国経済に対して強気なタカ派な発言が目立つ印象を受けました。
以下、パウエルFRB議長の主な発言をまとめてみました。
・利上げ開始2022年の開始予想。
・中国恒大集団(エバーグランデ)は「中国固有の問題に思える」。
・経済回復完了まで金融政策が経済を支える。
・経済進展が続けばテーパリングが早急に必要になるかもしれない。
・テーパリング終了は来年の中頃が適切となる可能性。
・資産購入のタイミングやペースは利上げのタイミングに関する直接的なシグナルではない。
パウエルFRB議長の発言から、今後のシナリオとしては11月のFOMCでテーパリング開始。来年の中頃から利上げ開始がメインシナリオとなりそうです。現在、FRB(米国連邦準備制度)は月1200億ドル(月800億ドルの米国債と400億ドルの住宅ローン担保証券)資産買い入れを行っています。テーパリングはこの資産買い入れ額を減少させていくことを意味します。テーパリングをしなければ、インフレ(物価上昇)が加速してバブルが破裂してしまうリスクがあります。
テーパリングは株式市場にとっては悪材料であるため、発表後は株価が急落するリスクがあります。しかし、長期的な上昇のためには株価の下落は必要でもあります。去年は米国大統領戦後に株価が一段と上昇しましたが、今年は11月にテーパリング開始が濃厚となったため去年ほどわかりやすい動きにはならないかもしれません。しかし、どちらにせよ下落はチャンスとみているので焦らずに市場を観察していきたいところです。
FOMCでのパウエルFRB議長の発言内容については、日本経済新聞の後藤達也さんがまとめていただいたのでツイートを引用させていただきます。
◆FOMCまとめ
FOMCのザックリまとめです。時間優先でつくっております
NYからのFOMCカバーは今回が最後。あしたのフライトで東京に帰ります。帰国後もFOMCは可能な限り、しっかりと発信していこうと思っています。引き続きよろしくお願いします🙇♂️ pic.twitter.com/Ud1TyjGudA— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) September 22, 2021
米国市場の動き(2021/9/20~25)
米国主要指数
先週(2021/9/20~25)、米国市場の主要指数の動きは以下の通りでした。
S&P500:4432.98 → 4455.47(変動値:+22.49 変動率:+0.51%)
ナスダック100:15333.47 → 15329.68 (変動値:-3.79 変動率:-0.02%)
ラッセル2000:2236.871 → 2248.075(変動値:+11.50 変動率:+0.50%)
先週(2021/9/20~24)の米国市場は主要指数は反発。ダウ、S&P500、ラッセル2000は反発。ナスダック100のみ小幅に下落する流れとなりました。
リスク材料が増えてきているものの米国の主要指数に底堅く、大きな下落は見られません。しかし、リスク材料が多い現状において積極的に買い進めるのはリスクが高いと考えられます。まだしばらくは俯瞰に徹しておいた無難な状況と言えるでしょう。
以下は2021/9/25時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
S&P500ヒートマップ
先週(2021/9/20~25)、S&P500ヒートマップの各銘柄の動きは以下の通りでした。
S&P500(直近1週間の動き):finviz
セクターごとに強弱まちまちといった様子です。主に銀行、決済、旅行、資源など景気敏感株の上昇が目立ちました。月間でみても強い銘柄と弱い銘柄と方向感がない銘柄と分かれている印象を受けます。
為替相場の動き(2021/9/20~25)
FX通貨強弱
先週(2021/9/20~25)、為替相場の各通貨の動きは以下の通りでした。
FX変動率・変動値
2021/9/25時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
先週(2021/9/20~25)の為替相場は週明けリスクオフの円高に動くも、後半はリスクオンの展開で円安の流れとなりました。安定して強かったのはドルでいつの間にか年初からの上昇率もポンドに並ぶほどとなっています。
やはり米国でテーパリングが進むことが折り込まれてくればドル高になるのは必然といった背景もあるからでしょうか。また各国がテーパリングや利上げを行っていくなか、その気配すら見せない円は安定の弱さです。リスクオフの状況ではさすがに買われるものの、それ以外では買う理由は特にない様子です。
あとは米国10年国債(長期金利)が直近で急上昇しているため注意したいところです。上昇が続くのであれば、株価が下落してリスクオフになる可能性もあります。直近のところではリスク材料も増えてきているため為替相場も神経質な展開が続きそうです。
まとめ
- FOMCにて米国テーパリング開始は11月が濃厚に。利上げは2022年中頃から開始予想
- 中国恒大集団がデフォルト危機のリスク!中国政府が明確な方針を示すまでは決めつけてかからないよう注意
- 米国市場は9月相場は下落しており軟調な相場が続くも大きな崩れまでには至らず。しかし、まだ急落リスクがあるため引き続き警戒が必要。
- 為替はリスクオフのあとにリスクオン。リスク材料が増えてきているため神経質な展開が続きそう。
- 米国10年国債(長期金利)が直近で急上昇しているため注意。上昇速度が早い場合、株価急落リスクも。
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FOMCでのパウエル議長の発言から今後のシナリオとしては「11月のFOMCでテーパリング開始。来年の中頃から利上げ開始」がメインシナリオとなりそうです。過去を振り返るとテーパリング発表時は株価下落する傾向にあるため、今回もその流れとなるのか注目したいところです。
中国恒大集団のデフォルト危機の問題もマーケットが現状大きなリスクと認識していない印象を受けます。中国政府の対応次第と思われますが、方向が示されるまでは決めつけてかからず俯瞰すべきかと思われます。焦らずに動向を見極めていきたいところです。
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