先週(7/26~7/30)の米国市場は上値が重い展開。GAFAMT(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft、Tesla)の決算はAmazonに決算ミスがあり株価が急落する展開となりました。
7月の米国市場は一時的に急落する日がありはしたものの、月間を通して小幅な上昇に終わりました。しかし上値が重くなってきているため、6月以降続いていた株高の流れも一服する可能性があります。8月以降の動きには注目したいところです。
為替は先週(7/26~7/30)はポンド高。しかし、月末のロンフィクで天井をつけてからは下落。一旦は上昇も一服した印象を受けました。また、ドルと豪ドルが弱かったです。
7月の為替相場は月間を通してみると円高でした。クロス円はすべて月初から下げています。年初から続いていた円安トレンドは既に天井をつけた可能性があります。年初から見た場合、円は現在最弱通貨なのでリスクはあります。しかし、ここからは円買いで攻めた方が面白いとみつつ相場を見ていきたいところです。
まとめ
- GAFAMT(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft、Tesla)決算はAmazonが決算ミス!
- FOMCでテーパリングの議論も利上げ検討はまだ時期尚早と判断。
- 米国7月市場はダウ、S&P500、ナスダックは小幅に上昇!ラッセル2000は月間-4%を越える下落。
- 為替相場は7月は円高トレンド!長かった円安トレンドもそろそろ転換か。
- 8月にクロス円のショート(売り)を狙うなら豪ドル円がおすすめ。
GAFAMT決算はAmazonが決算ミス
先週(7/26~7/30)はGAFAMT(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft、Tesla)の決算がありました。GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の決算結果はついては、企業分析ハックさんが細かい情報までのツイートを引用させていただきます。
先ほどAmazonの決算が発表され、GAFAMの四半期決算が出揃ったのでまとめました。
■成長要因
・Google:YouTube+84%,クラウド+53%
・Amazon:AWS+37%,サードパーティセラー+34%
・Facebook:MAU+12%,広告単価+44%
・Apple:iPhone+50%,周辺機器+36%,サービス+33%
・Microsoft:Azure+51%,LinkedIn+46% pic.twitter.com/nQpsDzQ7OB— 企業分析ハック -新しいビジネスの教科書を作る- (@company_hack) July 29, 2021
最も決算結果良かったのは、Googleでしょう。Youtubeが+84%の増収など、広告収益素晴らしく市場予想も大きく上回っています。Apple、Microsoft、Facebook、Teslaの決算も良かったです。決算結果を受けて、Teslaの除いた企業の株価は少し下落していますが悲観する必要はないとみています。
Amazonの決算についてはかなりマズいとみています。ご存知の方は多いと思いますが、決算を見るポイントとしては「売上高」「EPS(1株当たり利益)」「ガイダンス(先行き見通し)」があります。今回の決算で、Amazonは「売上高」「ガイダンス」で決算ミスをしています。決算結果を受けて、株価は週間で-9%下落しました。要因としてはEコース事業の先行き見通しの悪化などが言われていますが、今回の決算を受けてAmazonは次回以降の決算で好決算を出すまでは買う理由はないと感じました。
FOMCでFRBがテーパリングを議論
先週(7/26~7/30)はFOMCも行われており、FRB(米連邦準備制度理事会)内でテーパリング(緩和縮小)の議論が行われたようです。現時点においてテーパリングの開始時期は今後の経済状況次第。利上げ検討はまだ時期尚早という判断のようです。
FOMCの詳細については、日本経済新聞の後藤達也さんのツイートを引用させていただきます。
◆ FOMCまとめ
FRBはテーパリングに向けての議論を一歩進めました。会見の主な発言や今後のポイントをスライドに簡単にまとめました。AM7:00からNIKKEI LIVE(下記リンク)でビデオ解説します▽NIKKEI LIVE(どなたでも視聴可能)https://t.co/KPaKVRyv9n pic.twitter.com/njOX22hjc0
— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) July 28, 2021
2021年7月米国市場振り返り
米国主要指数(2021年7月振り返り)
2021年7月(7/5~7/30の期間)、米国市場の各指数の動きは以下の通りでした。
S&P500:4352.33 → 4395.27 (変動値:+42.94 変動率:+0.99%)
ナスダック100:14727.63 → 14959.9 (変動値:+232.27 変動率:+1.58%)
ラッセル2000:2305.76 → 2226.24 (変動値:-79.52 変動率:-4.45%)
2021年7月はダウ、S&P500、ナスダックは上昇しました。しかし、ラッセル2000は-4.45%と大きく下落。ラッセル2000は今年は3月につけた高値をずっと越えられず、高値を切り下げていっているためさらに下落するリスクが高いとみています。ラッセル2000は中小型株が多いため、中小型株の当然先行きは厳しいのではないかと思われます。
米長期金利は2021年4月初旬に一時1.70を越えて以降、ずっと下落傾向にあります。現在は1.226で金利水準はかなり低いです。これらの情報を踏まえると、良い決算を出し続けている大型グロース株は強気で見て問題ないようには感じています。
とはいえ、今月は8月26~28日にジャクソンホール会議があります。現在は金融緩和を継続する路線の見通しと思われますが、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策変更する可能があるとすればジャクソンホール会議の可能性が高いです。政策変更をせずともテーパリング(緩和縮小)観測を匂わせる発言があるだけでマーケット環境が変わる可能性があります。
また、9月から米国は新学期シーズンとなります。9月第1月曜日のレイバーデー明けは海外の市場参加者も休暇から帰ってきて、心機一転で望んでくる傾向にあるようなので環境変化を意識するに越したことはないでしょう。
以下は2021/7/31終値時点の2021年年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
S&P500ヒートマップ(2021年7月振り返り)
直近1ヶ月(2021年7月)のS&P500ヒートマップ、各銘柄の動きは以下の通りです。
S&P500(直近1ヶ月の動き):finviz
GAFAMの明暗がハッキリと分かれる
2021年7月はGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の明暗がハッキリと分かれる結果となりました。グーグル(GOOG)が週間+10.35%、アップルは週間+6.50%、マイクロソフト(MSFT)が週間+5.17%と大きく上昇しました。フェイスブック(FB)も週間+2.47%と堅調でしたが、Amazonは決算ミスで先週だけで週間-9.0%下落。月間で-3.27%下落しました。
年間で見た場合、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)で今年もっとも値を伸ばしているのはグーグル(GOOG)です。そのため、現在グーグル(GOOG)がGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の中で最強の銘柄といえるでしょう。
エネルギーセクターが不調
エネルギーセクターは2021年6月から下落傾向でしたけど、7月も月間でマイナスとなりました。特にエクソンモービル(XOM)が-8.73%と大きく下落。エネルギーセクターはその他の銘柄も大きく下落しており、動きが悪いです。エネルギーセクターは景況感の影響を受けやすいため、経済指標が好転するまでは売りに押される展開が続きそうです。
7月の米国市場はほとんどのセクターがプラスで引けている
グロース株に限らず、7月プラスで引けているセクターは案外多いです。同じセクターでも大きくプ上昇した銘柄と下落した銘柄で分かれるケースも意外と多く見受けられます。
7月に大きく上昇した銘柄としては半導体ではエーエムディ(AMD)が月間+13.05%、ソフトウェアではオラクル(ORCL)が月間+11.95%、製薬ではファイザー(PFE)が月間+9.32%、ヘルスケアではダナハーが月間+10.86%、スポーツ関連ではナイキ(NKE)が月間+8.43%、飲食ではスターバックスが月間+8.60%などが目立ちました。
2021年7月為替相場振り返り
FX通貨強弱(直近1ヶ月の動き)
2021年7月(7/5~7/30の期間)、為替相場の動きは以下の通りでした。
7月はポンドが非常に強く、ユーロと円も強かったです。対して、ドルと豪ドルは弱かったです。
FX変動率・変動値
2021年7月の為替相場は円高でした。6月はドル高でしたが米長期金利(米国10年国債)の下落を受けてドルは下落した印象です。
クロス円は6月あたりから底値をつけており、7月は最強通貨でした。8月は円高になりやすい(円安になりにくい)アノマリーも考慮すると、8月は円買いで攻めるのはリスクリワード的に面白いと見ています。テクニカル的には中期的にはフォローされていますし、ファンダメンタル的にも悪くないと思われます。
円インデックス
チャートは円の動きだけを表したドルインデックス日足です。
7月から反発しており、下降チャネルは既に終わっています。現在は短期上昇チャネルも形成しているため、上目線で考えています。現在は91.17の位置ですが、上げてくるのであれば7月に一時的につけた高値91.68は突破してくるとみています。下値は90.38あたり。2021年4月と7月に付近で3回サポートを受けているので堅いと考えいます。逆にここを明確に割れた場合、損切りするしかありません。
以下は円のシーズナルチャートです。
円シーズナルチャート:Equityclock
チャートを観察すると、8月(Aug背景黄色のエリア)は円高の傾向が強いです。
クロス円をショートをするなら豪ドルがおすすめ
円高を想定するなら通貨ペアはどれにするかになると思います。私、チャボとしては今のタイミングなら豪ドルが良いとみています。
チャートは豪ドル円の日足です。
日足200日移動平均線(白線)を下回っており、下落圧力が強い状況です。5月に一時86円の高値をつけて6月以降は下落トレンドが続いています。現在は80.53で推移していますが、80割れの可能性は高く、直近安値の79.8を割った場合、サポートは2020年9月頃につけた78.4くらいありません。
以下は豪ドルのシーズナルチャートです。
チャートを観察すると、8月(Aug背景黄色のエリア)は豪ドル安の傾向が強いです。以上を踏まえると豪ドル円のショートはかなり優位性が高いかと思われます。
今回の内容はあくまでトレードアイデアの一つですが、私は豪ドル円のショートを軸にクロス円を中心にチャンスを狙っていこうと思っています。
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米国市場は7月は上値が重い展開でした。8月は閑散相場であるため思わぬ動きがあるかもしれません。また、8月下旬のジャクソンホール会議と9月初旬のレイバーデー明けはトレンドが変わりやすいため、そろそろトレンド転換を意識したいところです。
為替は7月は円高だったため、長かった円安トレンドが変わることを意識しても良いと思われます。8月は統計的にも円高豪ドル安になりやすく、テクニカル分析、ファンダメンタル分析から見ても優位性は高いので豪ドル円ショートを軸に狙っていきたいと考えています。
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