先週(7/5~7/9)の米国市場は7/8に一時急落があったものの翌日7/9に急反発。終わってみれば先週からほぼ横ばいの流れでした。為替も一時大きく円高ふれましたが7/9すぐに円安方向に戻す流れとなりました。特に理由のない下落だったため警戒感もありましたが、株も為替も速攻で買いが入ったかたちとなりました。
まとめ
- G20で国債課税ルールが歴史的な合意「法人税 最低15%」に
- 謎のリスクオフで株安!しかし翌日には速攻で戻す、値動きが激しい展開
- 生ける伝説的トレーダーMark Menervini氏がリスク警告
- GAFAMが引き続き好調!ハイテク株、グロース株が強い流れ
- 銀行株、資源株、景気敏感株は引き続き低調な流れ
- 為替相場は円高後の円安!上値は重いが、下値も固い。
米国市場の動き
G20で国債課税ルールが歴史的な合意「法人税 最低15%」に
7/10(土)G20(主要20ヶ国の国際会議)にて、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などグローバル企業を念頭に国際課税ルールの見直しで進展がありました。
主な内容は法人税を最低15%とする方向で合意されたという点。これまで大きな国際企業は税負担を減らすため、税率の低い国に子会社を作る動きが過去数十年にわたり広がってきました。これは世界全体への税収懸念や巨大企業への批判につながっていました。
デジタルビジネスへの課税でも大枠合意されたようです。これをキッカケにGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などの収益率が落ちる可能性があるため、その点については注意が必要です。
今回の国債課税ルールの見直しの詳細については日本経済新聞の後藤達也さんのツイートを引用させていただきます。
【3分解説】「歴史的合意」
GAFAなどグローバル企業を念頭に、国際課税ルールの見直しで進展がありました。法人税を最低15%とする方向で「歴史的合意」(G20声明)。デジタルビジネスへの課税でも大枠合意しました。歴史的経緯やアメリカの最近の動きなど、3分ほどで読めるようポイントをまとめました pic.twitter.com/7sxgwP3GWS— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) July 10, 2021
米国主要指数(7/5~7/9)
2021/7/5~7/9、米国市場の各指数の動きは以下の通りでした。
S&P500:4352.33 → 4349.54(変動値:-2.79 変動率:-0.06%)
ナスダック100:14727.63 → 14826.09 (変動値:+98.46 変動率:+0.67%)
ラッセル2000:2305.76 → 2280.00(変動値:-25.76 変動率:-1.12%)
ダウ、ナスダック100が小幅に上昇。S&P500、ラッセル2000が小幅に下落。7/8に一時大きく下げましたが7/9に大きく反発、終わってみれば先週から横ばいの流れとなりました。
一時急落した要因としては不明です。しかし翌日、速攻で反発があったということは底は固いということでしょう。7月中は相場は引き続き上方向とみています。
しかし8月以降は大きな調整がくるとみているため、今はインデックス投資を除いて迂闊に新規ポジションをたてるべきではないとみています。また8月以降の調整局面で買いにいくべきはバリュー株ではなく、グロース株とみています。バリュー株は既に失速気味であるため、ここから再上昇するのは厳しいと考えています。
現在、米国経済はインフレと米長期金利上昇リスクが多くのマーケット参加者の中で意識されていますが、どちらも年内には起きない可能性もあるのではないかと考え始めています。理由としては、マーケット参加者が警戒している間は大きなクラッシュは起きづらいためです。もしクラッシュがきたとしても、すぐに動かせる潤沢なキャッシュが存在するため買いが入りやすいです。
なんにせよ、今年の8月〜10月頃にくるであろう調整局面は株の絶好の仕込み時とみています。それまでは俯瞰(ふかん)に徹したいです。
以下は2021/7/11時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。直近ではダウの下落とナスダックの反発が目立ちます。
ここ1ヶ月ではナスダックの上昇が抜きに出ています。S&P500とラッセル2000は堅調です。ダウは失速気味です。
S&P500ヒートマップ(7/5~7/9)と注目銘柄
2021/7/5~7/9のS&P500ヒートマップ、各銘柄の動きは以下の通りです。
S&P500(直近1週間の動き):finviz
ハイテク株、グロース株は上昇
先週は長期金利が下落したことから、引き続きハイテク株とグロース株が好調でした。
GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)が強く、特にアップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)が+5%以上の大きな上昇でした。この2銘柄は今年伸び悩んでいたなか最近新値をつけたので上値を更新していきやすいとみています。
銀行、資源、景気敏感株は下落
銀行、資源、景気敏感株は下落。背景としては米長期金利の下落でしょう。銀行株は、バンクオブアメリカ(BAC)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)など-3%以上の下落。銀行セクターは来週から決算シーズンとなるため注目が集まりそうですが、現在の金利状況では見通しとしては厳しい可能性が高いかもしれません。
ハイパーグロース株は堅調
ハイパーグロース株はおおかたは上昇しました。クラウドストライク(CRWD)、ドキュサイン(DOCU)は+3%を越える上昇。この2銘柄は最高値圏にいるため強い動きですが、米長期金利が下落している割には上昇が控えめな印象です。
ハイパーグロース株は今買うより調整局面で仕込みたい銘柄群とみています。
生ける伝説的トレーダーMark Menervini氏がリスク警告
生ける伝説のトレーダーと称されるMark Menervini(マーク・ミネルヴィニ)氏がリスクを警告していましたので紹介させていただきます。
Mark Menervini氏はUSインベスティングチャンピオンシップで優勝経験を持ち、『マーケットの魔術師【株式編】』でも取り上げられた“生ける伝説的トレーダー”。5年連続で3桁のリターンを上げ、年平均で220%、複利での総リターンは3万3500%に達した経験を持つ方です。
そんな伝説のトレーダーMark Menervini氏が今の米国市場に警鐘を鳴らしておりました。
No different than every other major bull market, this one is conditioning investors into thinking every pullback is a wonderful buying opportunity. Then when the masses of amateurs confidently plow in during another routine pullback, the guillotine will fall and heads will roll. pic.twitter.com/4A0CD4zQRt
— Mark Minervini (@markminervini) July 8, 2021
今の米国市場はダウ、S&P500、ナスダックはじめ主要指数はすべて最高値圏で推移しており絶好調です。こういう状況では下がったら買い場と判断する市場参加者が多く、それで利益も出ます。しかし、そういう状況が当たり前で皆が油断している時こそ大きな下落がくるものです。
海外有名投資家のPuru Saxena氏も年内S&P500の18~20%の下落がくる可能性があると警告していますし、じっちゃまこと広瀬隆雄さんも8月以降の米国市場は下落すると予想しています。
統計的にも毎年9~10月はS&P500は弱く、クラッシュ率も高いです。毎月の積み立て投資は別として、今は調整局面に備えてポートフォリオの整理をするときでしょう。
為替相場の動き
FX通貨強弱(7/5~7/9)
2021/7/5~7/9、為替相場の各通貨の動きは以下の通りでした。
FX変動率・変動値(7/5~9)
2021/7/11時点の年間上昇率、月間の動き、週間の動きをまとめた内容となります。
先週は大きく円高に動いたものの、7/9に一気に円安に戻るという動きの激しい週となりました。なお急激に円高になった理由としては不明です。株も急落しておりましたが、こちらも背景としては不明でしたしね。しかし、急速に円安にもどったことから市場としては行き過ぎた動きとして判断されたのだと思います
クロス円は以前、下降トレンドであることからこのまま反発が続くとは思えません。しかし、下値が固いことも事実なので来週はレンジ相場を想定しています。ドルストレートについても同じくレンジ相場を想定しています。欲張らずにレンジ圏でトレードしていきたいところです。
中期目線では今のところドル高、円高になるとみています。
コメント

先週はリスクオフの株安円高の後、すぐに株高円安の巻き戻しが起きました。上値は重く、下値は固い印象です。有名投資家で警鐘を鳴らす方も増えてきているため、株は今のから調整局面に備えおいた方がいざという時に狼狽(ろうばい)せずに済みます。
為替はドル高円高寄りであるもののレンジ相場とみているためレンジ圏でのトレードに徹していきたいと考えています。
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