米国市場の動き
米国5月CPI(消費者物価指数)
先週の米国市場は6/10(木)に発表された米国5月CPI(消費者物価指数)が市場予想が上回る結果となりました。しかし前回(米国4月CPI)ほど結果と予想の乖離(かいり)がなかったため、マーケットの波乱要因とはなりませんでした。
米国5月CPIの詳細については日本経済新聞の後藤達也さんのツイートを引用させていただきます。
【速報】🇺🇸 5月CPI(消費者物価)
下記の通り、今月も市場予想を上回りました。米国株先物はやや売られています。米10年債は1.49%→1.52%程度に pic.twitter.com/hCYSfBIqjG— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) June 10, 2021
テーパリング(緩和縮小)観測、インフレ(物価・賃金の上昇)などリスク要因は多数あるものの、米長期金利(米国10年国債利回り)はじりじりと下がっており、市場参加者も今の環境に慣れてきているように感じます。
今週は6/17(木)FOMCに注意
今週は6/17(木)AM3:00にFOMC(米連邦公開市場委員会)の政策金利の発表があります。政策金利は据え置きが既定路線かと思いますが、最近の米国の経済指標は上振れ傾向にあります。そのため、可能性は低いもののテーパリング(緩和縮小)を匂わせる発言があるかもしれません。
米長期金利(米国10年国債利回り)が徐々に下落していることからグロース株に資金も戻ってきています。そのため、短期的にはグロース株の反発余地が高そうです。とはいえ、テーパリング観測、インフレリスクが常に付きまとう環境であるため注意は必要でしょう。
私、チャボとしてはVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)やS&P500などへのインデックス投資を淡々と行いつつ、8月のジャクソンホール以降に想定される株価の下落に耐えられるよう今からアセットアロケーション(資産配分)を見直していくべきと考えています。
米国主要指数(6/7~6/11)
2021/6/7~6/11、米国市場の各指数の動きは以下の通りでした。
S&P500:4229.88 → 4247.45(変動値:+17.57 変動率:+0.42%)
ナスダック100:13770.77 → 13998.3 (変動値:+227.53 変動率:+1.65%)
ラッセル2000:2286.41 → 2335.8 (変動値:+49.39 変動率:+2.16%)
ダウのみ下落。S&P500は小幅に上昇。ナスダック100、ラッセル2000は大きく上昇しました。米長期金利(米国10年国債利回り)の下落に伴って、グロース株が多いナスダック銘柄、中小型株の多いラッセル2000が強い週となりました。
以下は2021/6/13時点の年間上昇率、月間の動き(5/17~6/11)、週間の動き(6/7~6/11)をまとめた内容となります。
S&P500ヒートマップ(6/7~6/11)
2021/6/7~6/12のS&P500ヒートマップ、各銘柄の動きは以下の通りです。
S&P500(直近1週間の動き):finviz
S&P500ヒートマップ(6/7~6/12)はハイテク、ヘルスケアセクターが好調でした。GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)が好調で特にアマゾン(AMZN)が+4.39%と大きく上昇。他にはアドビ(ADBE)が+7.29%と急騰しています。やはり長期金利が低下するとハイテク株は強いですね。ヘルスケアはイーライリリー(LLY)が+10.93%と急騰しています。
反して下落したのは銀行、資材セクターでしょうか。これは米長期金利の低下による影響と思われます。とはいえ、米長期金利は今後上昇することが想定されますからね。今後はますます長期金利の上昇に強い銘柄と弱い銘柄をバランス良く持つことが重要になってくると思われます。
グロース株は復調の気配
今週のグロース株はズーム(ZM)、クラウドストライク(CRWD)、ドキュサイン(DOCU)といったSAAS(Software as a Service)銘柄が急騰しました。ズームは週間+9.05%、クラウドストライクは週間+11.76%、ドキュサインは週間+8.48%の上昇と復活の気配すら感じる上昇でした。
チャートの形もかなり良くなってきているので期待したいです。
注目ニュースをピックアップ
海外有名投資家Puru氏がアークETFの反転を明言
海外有名投資家のPuru Saxena氏がハイパーグロース株の代表格アーク・イノベーションETF(ARKK)がアップトレンドに反転したこと明言しておりました。
After several weeks, the primary trend of $ARKK has flipped to UP.
This is not a prediction, simply an observation based on today's closing price and trend following indicators.
I'm leveraged long with no hedges in place.
— Puru Saxena (@saxena_puru) June 11, 2021
Puru Saxena氏はアーク・イノベーションETF(ARKK)は底打ったと判断したということですね。以下のARKKの日足チャートです。
ARKK(日足チャート):TradingView
2021/5/13を底値にアップトレンドに反転していることを確認できます。ここでの売りはボリュームも伴っているのでかなり強いショートを受けたことがわかります。
しかし以降はじりじりと上昇。現在は200日移動平均線(白線)付近で推移しています。ここを明確に越えてくるとカップウィズハンドルを狙えるかたちになってくると思われます。
アーク・イノベーションETF(ARKK)はテスラ(TSLA)、スクエア(SQ)、ズーム(ZM)などハイパーグロース株を中心に構成されているため、ハイパーグロース株の指標として今後の動きに注目したいです。
6/15からSBI証券のSBI・Vシリーズ新規募集期間に
SBI・Vシリーズ:SBI証券
今週6/15(火)よりSBI証券が「SBI・Vシリーズ」が新規募集期間となります。
低コストインデックスファンド・バンガード社のVTI、VYMの動きと連動する「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」の申込みが可能となります。
特にVTIはS&P500を越えるパフォーマンスを出していると聞きます。そのため、これからも米国市場の成長を期待するのであれば、これらはインデックス投資としては最善の選択肢のひとつとなると思われます。
既に楽天証券で楽天VTIを積み立てている方以外は、個人的にはありとみています。
為替相場の動き
FX通貨強弱(6/7~6/11)
2021/6/7~6/11、為替相場の各通貨の動きは以下の通りでした。
先週は荒い動きながら基本的にはレンジでしたね。日によって強い通貨が変わる印象だったので非常にトレードがやりづらい週でした。
FX変動率・変動値
2021/6/13時点の年間上昇率、月間の動き(5/17~6/11)、週間の動き(6/7~6/11)をまとめた内容となります。
先週は比較的ドルが強く、ドルストレートはすべて下落。クロス円はドル円以外は下落という週でした。
6/10(木)に発表された米国5月CPIの結果を受けた後はポンド高で反応。米国5月CPIの結果を受けた直後のドルの動きは鈍かったのですが、6/11(金)に一気にドル安に動きました。
米長期金利が下落したことから為替もドル安に動くかと思いましたが、逆の動きとなった格好です。とはいえ、米長期金利は落ちてる現状においてドル高となるのは少し不可解な動きです。おそらく、ドルか米長期金利のどちらかに修正の動きが入るとみています。
今週も方向感が出るまでは迂闊には動かず、方向を確認してから動いた方が良さそうです。ドルの動きはもちろん、年間でみたらポンドが最強なのでポンドの動きにも注目したいです。
まとめ
- 今週は6/17(木)にFOMC政策金利の発表に注目。
- 米国5月CPI(消費者物価指数)は市場予想を上回るも波乱はなし。
- 先週は米長期金利の低下を受けて米株はズームなどSAAS銘柄を中心に大きく上昇。
- 海外有名投資家のPuru Saxena氏がアークETFのアップトレンドに反転を明言。
- SBI証券が「SBI・Vシリーズ」が新規募集期間に。
- 先週の為替相場はドルが強く、ドルストレートはすべて下落。クロス円はドル円を除いて下落。
- 今週は方向感が出るまでは迂闊には動かず、方向を確認してから動いた方が良さそう。

今週はFOMCに注目しつつ、まずは様子見するのが安全。
米株はズームなどグロース株が息を吹き返しつつあるものの、今は安易にポジションをたてるべきではないとみています。
為替は米長期金利とドルの動きが連動してないように感じています。こちらも方向感出るまでは迂闊に動くべきではないでしょう。
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