先週の米国市場は6/4(金)に発表された米国5月雇用統計が市場予想を下回る結果となりました。米国5月雇用統計の詳細については日本経済新聞の後藤達也さんのツイートを引用させていただきます。
【速報】🇺🇸雇用統計
・5月雇用者数55.9万人増
・市場予想をやや下回る
・4月分は小幅修正 pic.twitter.com/dtC1OAiaPL— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) June 4, 2021
雇用者数が市場予想65万増のところ結果55.9万増。失業率は市場予想5.9%のところ結果5.8%。平均時給は市場予想、前月比0.2%増のところ結果0.5%増でした。
雇用者数が前月に続いて市場予想を下回りましたね。平均時給が上がっているということは低所得者の労働市場への戻りは相変わらず鈍いということでしょう。重要なのは今回の雇用統計の結果を受けてテーパリング(緩和縮小)観測が後退する否かですね。
テーパリングのタイミングはFRB次第。FRBがテーパリング観測をちらつかせるとすれば、8月下旬に予定されているジャクソンホールあたりが妥当と思われます。ただ、まだ期間があることから今は方向感が掴みづらい状況です。まずは今週のマーケットを観察するしかないでしょう。
米国市場の動き(5/31~6/4)
米国主要指数
2021/5/31~6/4、米国市場の各指数の動きは以下の通りでした。
S&P500:4204.13 → 4229.88 (変動値:+25.75 変動率:+0.61%)
ナスダック100:13686.51 → 13770.77 (変動値:+84.26 変動率:+0.62%)
ラッセル2000:2268.97 → 2286.41 (変動値:+17.438 変動率:+0.77%)
ダウ、S&P500、ナスダック100、ラッセル2000、すべての主要指数が小幅ながら上昇。米国の経済指標によって上下動はしたものの、安定して推移した週となりました。
以下は2021年6月6日時点の年間上昇率、月間の動き(5/10~6/4)、週間の動き(5/31~6/4)をまとめた内容となります。
S&P500ヒートマップ
2021/5/31~6/4のS&P500ヒートマップ、各銘柄の動きは以下の通りです。
S&P500(直近1ヶ月の動き):finviz
S&P500ヒートマップ(5/31~6/4)はエネルギーセクターが好調でしたね。エクソン・モービル(XOM)、シェブロン(CVX)といった石油関連企業が軒並み大きく上昇しました。
エヌビディア(NVDA)も13.5%の上昇とすさまじい伸びでした。同じ半導体でも台湾セミコンダクター(TSM)、インテル(INTC)、エーエムディ(AMD)などはエヌビディアに劣ることからエヌビディアの伸びのすさまじさがよくわかります。
エヌビディアのすごさは直近の業績以上に英半導体設計大手・アームの買収の影響をマーケットが評価してきたのかもしれません。私、チャボも持っていたのですが年初に売ってしまったので、この上昇にはまったく乗れません。。チャンスがあれば再度買いに行きたい銘柄ですね。
逆にテスラ(TSLA)、サーモフィッシャー(TMO)、ダナハー(DHR)は5%を越える下落。テスラは中国の販売急減の影響を受けた格好でしょうか。年始から15%近く下げており、苦しい展開が続いてます。
ダナハーとサーモフィッシャーの下落はアボット(ABT)がコロナウイルスの検査に対する需要の低下を示した影響もしてるのかもしれません。これらの銘柄は動向を見極めたいところですね。
海外有名投資家Puru氏がテーパリング後の下げ幅を示唆
海外有名投資家のPuru Saxena氏がFRBがテーパリングを行った際のS&P500の下げ幅を示唆しておりました。
Based on history, Fed tapering will probably bring about a 18-20% pullback in $SPX
Key question is whether the indices will peak when Fed's balance-sheet stops expanding (prior decade's experience) or the market will front-run tapering this autumn?
— Puru Saxena (@saxena_puru) June 3, 2021
上記のツイートを訳すると「歴史的に見てFRBのテーパリングはS&P500を18~20%引き下げるだろう。鍵となるのはFRBが金融緩和をやめたときに指数がピークに達するのか、それとも市場が今秋のテーパリングを前倒しで行うのか、という点である。」とのこと。
今年はやはりテーパリング観測からの市場の急落を見越して動いたほうが良さそうです。タイミングとしては早く8月、遅くとも10月くらいか。おそらく、そのタイミングが絶好の買い場となる可能性が高いです。
為替相場の動き(5/31~6/4)
FX通貨強弱
2021/5/31~6/4、為替相場の各通貨の動きは以下の通りでした。
先週はレンジ相場で方向感のない動きでした。米国の経済指標の影響を受けてドルと豪ドルの動きが少し荒かったです。
FX変動率・変動値
2021年6月6日時点の年間上昇率、月間の動き(5/10~6/4)、週間の動き(5/31~6/4)をまとめた内容となります。
先週はポンド高円安が続くか注目しておりましたが、逆のポンド安円高の動きとなりました。今週は米国の雇用統計の数字が弱かったからドルの動きに注目したいところです。もちろん、引き続きポンドと円の動きにも注目したいです。
まとめ
- 米国市場は各主要指数(ダウ、S&P500、ナスダックなど)が小幅に上昇。
- 米国5月雇用統計は市場予想を下回る。
- 重要なのは雇用統計の結果を受けてテーパリング(緩和縮小)観測が後退する否か。
- FRBがテーパリング観測をちらつかせるとすれば8月のジャクソンホールあたり。
- 海外有名投資家のPuru Saxena氏がFRBがテーパリング(緩和縮小)を行った際のS&P500は18~20%下落すると予測。
- 為替は雇用統計の結果を受けてのドルの動きに注目。

FRBがテーパリング(緩和縮小)を行えば、S&P500は20%ほど落ちることは覚悟すべきでしょう。勝負どころは先となるため、常に余力は残しておくべき。今年はインデックス投資に勝つのは至難な気がする…。為替は雇用統計を受けてのドルの動きに注目したいです。週明け、素直にドル安に動くか見極めたいところ。
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