米国市場は先週金曜日に発表された米国雇用統計がネガティブサプライズ!
市場予想を大きく下回りました。
ワクチンの普及による景気回復期待を見越してダウ構成銘柄(景気敏感株)を中心に大きく買われる展開が続いていましたが、今回の米国雇用統計の結果はその流れに市場に冷や水を浴びせる展開となりました。
米国雇用統計の結果については日本経済新聞の後藤達也さんのツイートを引用させていただきます。
【速報】米雇用統計
市場予想を大幅に下回りました pic.twitter.com/Hql8WbpCJJ— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) May 7, 2021
雇用者数が市場予想97.8万人増のところ結果は26.6万人増だったので予想と結果の乖離(かいり)はすさまじいものです。失業率も市場予想が5.8%のところ6.1%なのでこちらも市場予想から乖離(かいり)しています。
要因としては、米国政府からの給付金の存在が大きそうです。米国では失業給付など手厚い支援があるため、高給な職業についてない方は下手な時給で働くと失業給付が受け取れなくなってしまい、逆に家計が苦しくなってしまうようです。現在の米国の世帯収入の3分の1は国からの給付によるものだとも言われています。
上記の情報についてはKosukeさんのツイートを拝見した情報なので引用させていただきます。
米国雇用統計が肩透かしでしたね。
背景には給付金の存在がありそうです。失業給付など手厚い支援があるので、下手な時給では働く方が家計が苦しくなるという逆転現象が発生しています。
この問題は以前より発生しており給付がある9月までは継続しそうです。
— Kosuke|資産数億円 🇯🇵🇺🇸グロース投資家 (@Kosukeitou) May 8, 2021
米国雇用統計の結果を受けて、米国10年債利回り(長期金利)は一時1.5を割るほど急落することになりました。現在の長期金利は1.588と急反発していますが、来週以降どちらに動くかわからない状況です。
一般的には長期金利が下がるとグロース株には優位。長期金利が上がると景気敏感株に優位となります。グロース株における長期金利と株価のロジックは以下の図表のとおりとなります。
長期金利と株価:かっぱのらくらく投資生活
つまり、去年急騰したグロース株にとっては”Bad news is good news(悪いニュースは良いニュース)”というわけです。そのため今週は一段と長期金利の動きに注目したいところです。
海外有名投資家が危険を警鐘
2020年3月のコロナショック以降、米国株投資を本格的に始めた方は多いと思います。去年はFRB史上最大規模の金融緩和によりグロース株を買えば、個別株はどの銘柄も軒並み上昇して利益を出せた方も多かったでしょう。
しかし2021年2月下旬以降、去年のような楽勝相場は終了。以降、難易度が高い相場が続いています。これはワクチン普及による景気回復期待による影響、そして米国経済の回復が想定以上が早いことによる影響が大きいでしょう。その影響で現在はテーパリング(緩和縮小)観測がしばしば話題に出てきております。
そんな神経質な展開で今回の米国雇用統計は予想を大幅に下回りました。この結果から当面はテーパリング(緩和縮小)観測が遠のき、グロース株は息を吹き返す可能性もあります。しかし、もしグロース株は反発したとしても楽観は禁物かと思います。
理由としては、もしテーパリング(緩和縮小)観測が遠のいたとしても近い将来テーパリングを行う必要はあるためです。また、海外有名投資家のPuru Saxenaさんが興味深いことをツイートしています。英語ですが、ツイートを引用させていただきます。
Here is a chart (few months old) which shows how all the previous asset bubbles ended – Bell Curves.
The current bubble went up a bit further early this year but seems to have popped. Was aware it was an incipient bubble, just didn't realise it'd pop before end of QE. pic.twitter.com/jVGA6MVEz1
— Puru Saxena (@saxena_puru) May 8, 2021
今回のコロナ以降の大相場、どこまで上昇するかは現状わかりません。しかし、突っ込みすぎは危険である可能性を示唆している様子なので今からリスクヘッジも考えておく必要があるかもしれません。
米国市場の動き(5/3~7)
S&P500(1週間の動き)
S&P500(1週間の動き):CNBC
先週(5/3~7)の米国株市場はダウが週間+2.67%(+902.9)、S&P500が週間+1.23%(+51.4)、ナスダック100が週間-1.02%(-141.13)、ラッセル2000も週間+0.23%(+5.18)。ダウとS&P500は堅調でしたが、ナスダックには厳しい1週間となりました。
S&P500ヒートマップ(1週間の動き)
S&P500(1週間の動き):finviz
S&P500ヒートマップ(5/3~7)はナスダックが下落したのでテクノロジー企業が低調でした。逆に強かったのは銀行、ヘルスケア、工業、資材、原油、運送セクターでした。
先週は米国雇用統計が予想を大きく下回るというネガティブサプライズの影響がありましたが、グロース株はそこまで買い戻されていないことが気になります。
将来的にテーパリング(緩和縮小)をおこなうことから資金がグロース株から景気敏感株に移動しているようにも感じます。
グロース株は去年落ちているところを買えば利益を出せましたが、今年は同じ手法をとると痛手を喰らう可能性が高いと思われます。グロース株は将来的には伸びる可能性は十分ありますが、もしかしたら今年の最高値は2月だったという可能性も否定できません。長期保有できる銘柄を覗いてはどこかで利益確定、場合によっては損切りも必要となるかもしれません。
こういう展開に備えて、リバランスなどしてリスクヘッジも検討しておきたいところです。
為替相場の動き(5/3~7)
FX通貨強弱(1週間の動き)
先週(5/3~7)の為替相場は豪ドル高、ドル安。ユーロとポンドはやや強く、円はやや弱い展開でした。
ドルは米国雇用統計の結果を受けて急落する流れとなりました。反して、強かったのは豪ドルでした。アノマリー的にはドルは5月上旬は反発する傾向があり、豪ドルは5月は弱い傾向がありますが今のところは逆の動きとなっています。
米国雇用統計の結果から、来週もドル売りが続く可能性は高そうなのでトレンドが継続するか注目したいところです。
FX変動率・変動値
クロス円が相変わらず弱いです。4月からドルが弱くなってきているため、ドル円とドルストレート(ユーロドル、ポンドドル、豪ドル米ドル)でドル売りが優位性が高そうです。
ドルインデックス
ドルストレート(日足チャート):TradingView
ドルインデックスの日足。ドルの動きを見るにはドルインデックスが一番分かりやすいです。
ドルは2021円1月から長期金利の上昇とともに上がってきましたが、4月にピークをつけて下落。現在は200日移動平均線(白線)を下回っているため、ドルは弱いです。
ドルは200日移動平均線(白線)を上回るまでは下落目線でみています。
まとめ
米国市場は先週金曜日に発表された米国雇用統計がネガティブサプライズ!雇用者数が市場予想を大きく下回る結果となりました。結果を受けて、長期金利が下落するとグロース株にとっては追い風なのでは”Bad news is good news(悪いニュースは良いニュース)”となるか注目したいところです。
為替も米国雇用統計の結果を受けて、ドルが急落することとなりました。ドルはアノマリー的には5月上旬は反発する傾向がありますが、今のところは逆の動きとなっています。ドルは4月以降弱いので引き続きドル売りが優位性が高そうです。
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